工場見学体験記~不二ライトメタル株式会社(長洲町)
[2011-07-12]
当協議会企業会員の不二ライトメタル株式会社を訪問いたしました。
(熊本県企業誘致連絡協議会事務局 杉本)
こちらの会社は長洲町を拠点に、アルミニウムを中心とした金属製品を設計から組立まで一貫生産されています。
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◎生産過程
①鋳造
【原料】
インゴットと呼ばれるアルミ地金がすべての製品の大本。様々な形に切断した際に出る切れ端もまとめて再度使える無駄のない原材料。
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【(左)溶解炉 (中央)鋳造機 (右)出来上がったビレット】
高温で溶かし、鋳造機でビレットと呼ばれる円筒状に成形。
このビレットから様々な形が生みだされる。 -
②押出円筒状のビレットを切断・加熱し、金型(ダイス)を通すことによって、普段私たちが目にする形へ近づく。ところてんのイメージ。
製品の形状のカギを握るダイス自体も、設計から作成・メンテナンスに至るまで、同じ工場内で行われており、その数は3万種類以上。少量多品種、きめ細かな対応を可能にしている。【(左)ビレットを押出中(右)中央で銀色に輝くのがまっすぐに伸ばされた押出後の形材】
③表面処理 -
【写真右手にて吊り上げられているのが押出された形材】
表面処理用の各液体に、上下させながら浸していく。この処理によって見た目の美観を保つだけでなく、丈夫で長持ちさせることができる。
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【用途や製品デザインによって色つやを選べる】
④梱包・出荷
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出来上がった一般形材は、お客様のオーダー毎に様々な形状をしているため、キズがつかないよう手作業で丁寧に梱包される。
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【様々な場面で活躍する製品】
私たちが普段目にしているカーポートやサッシをはじめとするエクステリア用品や建築用足場だけでなく、半導体用リードフレームマガジンやソーラーパネルの枠、自動車部品にも使われ、細かい凹凸や穴をもった様々な形に加工された製品はどれも目を見張るものばかりでした。
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また、2002年から熊本大学と共同研究開発・実用化がすすめられているマグネシウム合金を用いて、自動車や医療器具向け部品の試作・量産を行う加工工場を今年度新設予定とのこと。加えて、LED導光板を採用した照明・看板・サインの開発もされており、今後の幅広い製品化がますます期待される会社でした。
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【KUMADAIマグネシウム合金を使用した子供用肢装具】
KUMADAIマグネシウムは熱に強く、アルミより軽い。その丈夫さと軽さが何よりの魅力。
様々な分野での活用、そしてその量産化が期待されている。 -
【LED導光板の特長】
①長寿命
国産LEDを採用し、一日8時間点灯で約17年。24時間点灯で約5~6年使用することができる。②地球に優しい
LED導光板は、高輝度LEDの採用により、蛍光灯と同等以上の明るさで、消費電力を削減。③超薄型
薄さ5㎜の超薄型、超軽量のため、効果的な設置を可能に。また、今まで取付不能であった場所にも設置できる。④高輝度・均一発光
高性能シルク印刷で特殊なインクとドット配置を採用し、明るくて高輝度でムラのない均一発光を実現。⑤高耐久性
紫外線を発光しないので、表面の経年変化が少なくなる。⑥目に優しい
チラツキがなく、直視しても目が疲れにくい。【(上)LED導光板を使用した看板】
今まで培ってきた成形技術がアルミフレームとして活かされている。
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【(左)クリアな明るさと薄さで、場所を取らないスタイリッシュな表示板。カラーも変えることができる。】
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※(上)社屋上の社名看板もLED導光板を使用。
【不二ライトメタル株式会社】 ホームページ
■所在地 熊本県玉名郡長洲町長洲2168番地
■設立 1969年10月
■事業内容①押出形材(一般用・ビル用建材)の製造・販売
②アルミ加工品(家電・自動車関連/プロファイル材)
③精密加工品(事務機器類/装置治具類/圧着式ヒートシンク)
④新規事業(LED導光板を使用した照明、看板、サインの開発/マグネシウム合金による製品の商品化)