平成24年度通常総会報告(2012.5.31)
[2012-06-12]
平成24年5月31日(木)全日空ホテルニュースカイ(熊本市)において、平成24年度熊本県企業誘致連絡協議会通常総会が開催されました。
総会では、入退会状況報告や役員選任、平成23年度事業・収支決算報告及び平成24年度の事業計画・予算案等の議案が承認されました。
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総会終了後の講演では、熊本大学文学部附属永青文庫研究センター 教授 稲葉 継陽先生から「加藤・細川400年の歴史と地域社会」についてご講演を頂きました。
(写真中央)【稲葉 継陽 先生】
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はじめに、永青文庫誕生の由来についてお話いただきました。
江戸時代の歴史的資料の多くが散逸している中、数ある大名家の中でも細川家が保存・管理してきた歴史的資料は、量としても、体系としてもトップクラスであり、43,000点に及ぶ永青文庫の所蔵の品はただ偶然に残っているものではなく、細川家の方々が西南戦争での危機感から主体的に、意識的に集めなおしたからこそ、今、生きた資料として在ることを初めて知りました。
所蔵には手紙や古典の文化的資料だけでなく、行政組織が系統化され各部局ごとの年次綴りなど藩政資料(行政資料)も多く残されているそうで、中でもスライドで紹介のあった「御印物」と呼ばれる細川忠利の決裁印の巻物が特に印象的でした。
江戸時代の始めにもかかわらず、殿様の独裁ではなく家臣の意見が起案⇒稟議⇒決裁と今の行政の意思決定の原点を見るかのような貴重な資料が実際に残されていることに驚きました。
また、ドラマのような悪代官の圧政に苦しむのではなく、村の陳情を受け手永(百姓の代表)が政策・立案し、郡代⇒藩庁へと上に意見を上げていたという記録があり、その手永ごとの各地域が平成の大合併前の各大字と重なる、つまり現在にもつながる地域社会の原点があったことも教えてくださいました。
先生は「日本の江戸時代が近代行政の基礎になっているのは先人のおかげ。私たちも現況を後世に残し多くの人が利用できるように残していきたい。」としめくくられました。
講演会後の交流会は、今年度からご就任いただいた蔵田会長の明るい挨拶で始まり、例年以上に大変賑やかで、活発な会員間の交流を図ることが出来ました。